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株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を終え、社会人になりました。
室内工事の現場では戦力外になりました。
営業でも戦力外になりました。
現在は、会社ホームページのブログを担当しています。
今回は、リモート勤務の先輩、きーたさんへビジネスチャットで質問しようとしました。
質問は送れませんでした。
迷っていることだけは、先に届きました。
リモート勤務のきーたさん
きーたさんは、事務主任の女の子です。
関西弁でよく話します。
周りへ気を使い、困っている人がいると声をかけてくれます。
僕にとっては先輩です。
ただし、リモート勤務なので直接会ったことがありません。
パソコンの画面では、顔が大きな「?」マークになっています。
顔は分かりません。
声と関西弁と気遣いだけは分かります。
分からないことがあれば、チャットや電話で教えてくれます。
「何でも聞いてな」と言ってくれています。
それでも、僕は質問を送る前に悩みます。
先輩へ質問するのは緊張する
こんなことを聞いたら、仕事ができないと思われるかもしれない。
自分で調べろと言われるかもしれない。
忙しい時間だったら迷惑かもしれない。
文章が失礼だったらどうしよう。
質問よりも先に、不安が大量に出てきます。
分からないことは一つです。
心配していることは十個くらいあります。
僕はチャット画面を開きました。
きーたさんはオンラインです。
質問を入力し始めます。
「お忙しいところ恐縮ですが」から始めた
まず、丁寧なあいさつを書きました。
「お忙しいところ恐縮ですが……」
ここまで入力して止まりました。
少し長すぎる気がします。
ビジネスメールなら自然かもしれません。
チャットとしては重すぎるかもしれません。
全部消しました。
次は短く書きます。
「質問があります」
何の質問か分かりません。
消しました。
「今、お時間よろしいでしょうか」
返事をもらってから質問を書くと、やり取りが一回増えます。
また消しました。
丁寧にしようとするほど、文章が送れなくなります。
書いては消し、20分が過ぎた
文章を書きます。
読み返します。
長い気がして消します。
短く書きます。
冷たく見える気がして消します。
絵文字を入れるか悩みます。
仕事なので消します。
もう一度、最初から書きます。
気づくと、20分が過ぎていました。
質問そのものを調べる時間より、質問文を作る時間のほうが長くなっています。
まだ一文字も送信していません。
僕としては、誰にも迷惑をかけず静かに悩んでいるつもりでした。
しかし、チャットには「入力中」の表示があります。
入力中は相手の画面に表示される
自分が文章を入力している間、チャットサービスによっては相手側の画面へ入力中であることが表示されます。
今回、きーたさんの画面には、こう出ていました。
「とこじゅんが入力中……」
少し入力しているだけなら、自然な表示です。
数秒後にはメッセージが届きます。
しかし、僕の場合は20分です。
入力中。
まだ入力中。
ずっと入力中。
何か長い報告を書いているようにも見えます。
重大な相談をためらっているようにも見えます。
実際には、一行目のあいさつを繰り返し消しています。
送信前にきーたさんから連絡が来た
やっと質問文がまとまりかけました。
送信ボタンへ手を伸ばします。
その前に、きーたさんからメッセージが届きました。
「分からんことあるんやろ?電話しよか」
まだ何も送っていません。
質問の内容も伝えていません。
迷っていることだけは、完全に見抜かれています。
僕は思わず声に出しました。
「まだ何も送ってないのに……」
リモートなのに、近くで見られているような気分です。
20分間の入力中で全部伝わっていた
きーたさんと通話がつながりました。
画面には、いつもの「?」マークがあります。
「20分ずっと入力中やったで」
当然、気づかれていました。
「気ぃ使わんと、はよ聞きや」
怒っているわけではありません。
責めてもいません。
質問しやすいように、きーたさんから声をかけてくれました。
僕は質問文を完成させることができませんでした。
それでも、聞きたかったことは電話で解決しました。
文章は届いていません。
迷いは届きました。
ビジネスチャットで質問するときの基本
チャットは、メールより短いやり取りに向いています。
ただし、短すぎると用件が分からず、長すぎると読む側の負担になります。
会社ごとのルールや相手との関係にもよりますが、次の内容があると質問を理解してもらいやすくなります。
誰に向けた質問か
何について聞きたいか
自分で確認したこと
どこが分からないか
いつまでに回答が必要か
最初から完璧な文章を作る必要はありません。
相手が回答するために必要な情報を、簡潔にまとめます。
僕は礼儀だけを完璧にしようとして、用件まで届きませんでした。
質問文は「結論・状況・確認」の順で書く
ビジネスチャットで質問するときは、最初に何を知りたいのかを書くと伝わりやすくなります。
たとえば、次のような形です。
きーたさん、〇〇の入力方法について質問です。手順書の△ページまで確認しましたが、□□の欄に何を入れるか分かりません。こちらは空欄でよいでしょうか。
最初に質問のテーマがあります。
次に、自分が確認した内容があります。
最後に、判断してほしいことがあります。
読む側が状況を把握しやすくなります。
急ぎの場合は、必要な時間も伝えます。
本日15時までに作業を進めたいので、お手すきの際に確認をお願いします。
本当に急いでいる場合は、会社のルールに合わせて電話など別の方法も使います。
「今お時間よろしいですか」だけ送らない
相手の都合を確認することは大切です。
ただし、チャットで「今お時間よろしいですか」だけを送ると、相手は用件や必要な時間を判断できません。
簡単な質問なら、最初から内容を一緒に書く方法があります。
お手すきの際に、〇〇について一つ確認をお願いします。
続けて質問を書けば、相手は手が空いたときに内容を確認できます。
電話や通話が必要なら、目的と目安時間を添えます。
〇〇について相談したいことがあります。5分ほど通話できる時間はありますか。
これなら、相手も予定を判断しやすくなります。
僕は「お忙しいところ恐縮ですが」のあとに、用件へ進めませんでした。
自分で確認した内容も伝える
質問する前に、手順書、過去のチャット、社内資料などを確認できる場合があります。
どこまで調べたかを短く伝えると、同じ説明を繰り返さずに済みます。
マニュアルの〇ページを確認しましたが、△の場合の手順が見つかりませんでした。
ただし、調べることへ時間をかけすぎないことも大切です。
社内で聞けばすぐ分かる内容を、一人で何時間も悩むと作業が止まります。
僕は質問文だけで20分止まりました。
調べた内容はありません。
消した文章だけが増えました。
分からない部分を具体的にする
「全部分かりません」では、答える側もどこから説明すればよいか迷います。
作業を小さく分け、止まっている場所を伝えます。
どの画面か
どの書類か
どの手順まで進んだか
何を選べばよいか
どの結果を期待しているか
画面の内容について質問する場合は、必要に応じてスクリーンショットを添えると伝わりやすくなることがあります。
ただし、個人情報や社外秘の内容が写っていないか確認します。
僕の場合は、質問する画面より、入力中の表示を撮ったほうが状況を説明できそうです。
質問することは仕事を止めないための行動
質問すると、仕事ができないと思われる気がします。
しかし、分からないまま作業を進めると、間違いが大きくなる場合があります。
確認が必要なところで聞くことは、作業を正しく進めるための行動です。
同じ質問を何度も繰り返さないよう、答えをメモする。
次に自分で判断できるよう、理由も確認する。
教えてもらったあと、お礼と結果を伝える。
このようにすれば、質問した経験を次へつなげられます。
質問せず20分止まっていることも、相手には入力中として見えています。
早く聞いたほうが、お互いの時間を使わずに済むことがあります。
先輩へ相談できないときは小さく声をかける
相談したい内容が大きいと、最初の一言が出にくくなります。
その場合は、相談の目的だけを短く伝えます。
〇〇について判断に迷っています。確認をお願いできますか。
そのあとに、状況を箇条書きで送る方法もあります。
文章がまとまらない場合は、通話できるか相談します。
文章でうまく説明できないため、5分ほど通話をお願いできますか。
「うまく書けない」と伝えることも、一つの情報です。
僕はうまく書けないことを、入力中の長さで表現してしまいました。
きーたさんには伝わりました。
毎回この方法を使うのはおすすめしません。
リモートワークでは様子が見えにくい
同じ事務所にいれば、先輩の手が空いたタイミングで声をかけられます。
困っている顔に気づいてもらえることもあります。
リモートワークでは、相手の様子が見えません。
今忙しいのか。
話しかけてよいのか。
困っていることに気づいているのか。
チャットの状態や予定表、オンライン表示など、限られた情報で判断します。
そのため、質問する側も、受ける側も、声をかけやすい方法を決めておくと安心です。
質問用のチャットを決める
急ぎの場合の連絡方法を決める
返答できる時間帯を共有する
短い定例確認の時間を作る
分からないことをまとめる場所を作る
きーたさんは、チャットの入力中表示から僕の様子を読み取りました。
顔は見えません。
迷いは見えています。
気を使ってくれる先輩がいる
きーたさんとは、直接会ったことがありません。
それでも、仕事では何度も助けてもらっています。
電話対応を教えてくれます。
休みの日を知らせてくれます。
僕が長く悩んでいると、先に声をかけてくれます。
リモートだから気遣いが伝わらないわけではありません。
離れているからこそ、言葉にして伝えてくれることもあります。
「気ぃ使わんと、はよ聞きや」
この一言で、次から少し質問しやすくなりました。
次の質問文は、19分くらいで送れると思います。
まだ長いです。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
クロス張替え
CFやフロアタイルなどの床施工
設備交換・修理
大工工事、建具補修
室内の原状回復工事
主に室内の工事を中心に、住まいや建物のお困りごとへ対応しています。
壁や床、天井、設備などで気になる場所がありましたら、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
お問い合わせの文章が完璧でなくても、内容を確認しながら対応します。
入力中のまま20分悩む前に、お気軽に送信してください。
僕も送信できるよう練習します。
今日のとこじゅん
文章は届いていない。迷いは届いた。
質問を丁寧に書こうとして、質問そのものを送れませんでした。
きーたさんには、入力中の長さだけで見抜かれました。
次は、結論から書きます。
できれば五分以内に送ります。
送信ボタンを押すところまでが、質問です。

株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を終え、社会人になりました。
室内工事の現場では戦力外になりました。
営業でも戦力外になりました。
現在は、会社ホームページのブログを担当しています。
今回は、営業部のあーまさんから営業トークを教わることになりました。
テーマは「相手の良いところを褒める」です。
教えてくれる人としては、強すぎる人が来ました。
あーまさんは、ただただ褒めてくれる
あーまさんは、営業部の女の子です。
明るく、よく話します。
話し始めると、言葉が途切れません。
マシンガントークです。
そして、常に人を褒めてくれます。
叱ることは、本当にありません。
仕事ができても褒めます。
失敗しても、挑戦したことを褒めます。
何もしていなくても、そこにいることを褒めます。
息をしていても褒めます。
僕は最初、励ますための言葉だと思っていました。
どうやら、本気で褒めています。
営業は相手の良いところを見つける
あーまさんがホワイトボードの前に立ちました。
「営業は、まず相手のいいところを見つけるんです!」
相手の良いところを見る。
たしかに、大切なことだと思います。
初対面の人と話すとき、緊張して自分のことで頭がいっぱいになります。
何を話せばよいか。
失礼なことを言わないか。
沈黙したらどうするか。
僕はいつも、自分の不安ばかり考えています。
相手へ関心を向ければ、会話のきっかけが見つかるかもしれません。
僕はノートを開きました。
今回は役に立つことを学べそうです。
営業ロープレでお客様役になった
営業ロープレとは、実際の営業場面を想定して役割を演じる練習です。
一人がお客様役になります。
もう一人が営業担当になります。
話し方や質問の流れを試し、終わったあとに良かった点や改善点を確認します。
最初は僕がお客様役です。
椅子へ座りました。
名刺を持ちました。
あーまさんの説明を聞きます。
まだ何も話していません。
それでも、あーまさんの営業は始まりました。
座っているだけで褒められた
「座り方がいい!」
「名刺の持ち方も最高!」
「相づちが丁寧!」
「話を聞いてるだけで偉い!」
褒め言葉が次々に飛んできます。
会話というより連射です。
僕は座って名刺を持ち、話を聞いているだけです。
営業の練習をしているはずなのに、入学式で表彰されているような気分になりました。
何をしても褒められます。
何もしなくても褒められます。
褒められすぎると、人はどのような顔をすればよいか分からなくなります。
僕は名刺を握ったまま、汗をかいていました。
あーまさんは、その汗についても努力の証拠だと褒めそうです。
今度は僕が褒める側になった
役割を交代します。
あーまさんがお客様役です。
僕が営業担当です。
「では、私のいいところを褒めてください!」
良いところは、たくさんあります。
明るい。
話しやすい。
いつも人へ気を使っている。
営業の仕事ができる。
人を元気にする。
しかし、急に答えを求められると、言葉が出てきません。
頭の中には候補があります。
口まで届きません。
僕はあーまさんを観察しました。
笑っています。
こちらを見ています。
返事を待っています。
そして、安定して呼吸しています。
「呼吸が安定していますね」
長く考えたあと、僕は言いました。
「呼吸が……安定していますね」
自分でも、ほかに何かあったと思います。
人を褒める場面で、生命活動の安定性を評価してしまいました。
健康診断ではありません。
営業ロープレです。
普通なら、会話が止まるところです。
場合によっては、少し怖がられるかもしれません。
しかし、相手はあーまさんです。
褒め言葉として受け取ってくれました。
呼吸を褒めたことまで褒められた
あーまさんの目が輝きました。
「呼吸まで見てくれた!」
「観察力がすごい!」
「今までにない褒め方!」
「天才!」
僕が言ったのは、呼吸が安定しているという一言です。
あーまさんの中では、誰も気づかなかった長所を発見したことになっています。
観察力を評価されました。
独創性まで評価されました。
最後には天才になりました。
褒める練習で、褒められて終わりました。
営業トークは上達したか分かりません。
自己肯定感だけは上がりました。
営業ロープレを行う目的
営業ロープレは、相手を上手に褒めるためだけの練習ではありません。
実際にお客様と話す前に、会話の流れを試せます。
あいさつや自己紹介
お客様の悩みを聞く質問
商品やサービスの説明
分かりにくい言葉の確認
質問への答え方
次の行動の提案
頭の中で理解していても、声に出すと思うように話せないことがあります。
ロープレなら、間違えてもその場で確認できます。
僕は頭の中でも話せません。
そのため、声に出す練習が特に必要です。
初心者の営業ロープレは短い場面から始める
最初から商談のすべてを練習しようとすると、覚えることが多くなります。
初心者の場合は、場面を小さく区切ると取り組みやすくなります。
あいさつだけを練習する
会社名と名前を伝え、名刺を渡すところまで練習します。
僕は名刺交換の練習で、机へ頭をぶつけた経験があります。
短い場面にも十分な練習が必要です。
最初の質問を練習する
お客様が何に困っているかを聞く質問だけ試します。
質問したあと、相手の回答を途中で遮らずに聞くことも練習します。
説明を短くまとめる
自社が何をしている会社なのか、短い言葉で伝えます。
ツヤヤカは、住宅や店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事へ対応しています。
僕の担当が何なのかは、今も会社全体で探しています。
終わり方を練習する
見積もり、現地確認、折り返しなど、次に何をするかを伝える練習です。
話し始めることだけでなく、自然に終えることも大切です。
相手の良いところを自然に伝えるコツ
褒めることは、会話をやわらかくするきっかけになります。
ただし、何でも大げさに褒めればよいわけではありません。
相手や場面に合わせ、実際に感じたことを具体的に伝えます。
見たままの事実から探す
相手の持ち物、選んだもの、工夫している点など、目の前にある事実へ注目します。
たとえば、リフォームの打ち合わせなら、室内を大切に使っていることや、色の選び方について自然に触れられる場合があります。
行動や工夫を具体的に伝える
「すごいですね」だけでなく、何をすごいと感じたのかを伝えます。
「必要な情報を分かりやすくまとめてくださっているので、状況を確認しやすいです」のように、具体的な理由があると伝わりやすくなります。
無理に褒めない
褒める場所を探すことへ集中しすぎると、相手の話を聞けなくなります。
思っていないことを言うと、不自然に聞こえる場合もあります。
良いところがすぐ見つからない場合は、無理に言葉を作る必要はありません。
僕のように呼吸まで探し始めたら、一度落ち着いたほうがよいと思います。
外見については慎重にする
外見や年齢などへの言葉は、相手との関係や受け取り方によって不快にさせることがあります。
仕事の場では、相手の考え方、選択、準備、工夫などへ注目したほうが自然な場合があります。
褒める前に、相手の話を聞く
営業で大切なのは、褒め言葉をたくさん伝えることだけではありません。
相手が何に困っているのか。
何を希望しているのか。
どこを不安に感じているのか。
話を聞かなければ、必要な提案はできません。
相手の言葉を繰り返して確認する。
分からない部分を質問する。
急いで結論を出さない。
まず聞くことで、相手が大切にしていることも見えてきます。
あーまさんはよく話します。
しかし、人の話もよく聞いています。
僕が「呼吸」としか言えなかったときも、その一言を受け止めてくれました。
受け止めたあと、百倍にして返してくれました。
フィードバックは良かった点と改善点を分ける
営業ロープレが終わったら、振り返りを行います。
最初に良かった点を確認すると、できていることが分かります。
そのうえで、次に直す点を具体的に決めます。
声の大きさ
話す速さ
質問の順番
説明の長さ
相手の話を聞く時間
分かりにくかった言葉
一度にすべて直そうとせず、次のロープレで意識する点を一つか二つに絞ります。
あーまさんからは、良かった点を大量にもらいました。
改善点については、褒め言葉の勢いで聞こえませんでした。
次回は、そこまで確認しようと思います。
質問しようとしたことも褒められると思います。
褒められると挑戦しやすくなる
失敗を強く恐れていると、最初の一言が出にくくなります。
間違えたらどうしよう。
笑われたらどうしよう。
役に立たないと思われたらどうしよう。
8年間ニートだった僕は、社会人として行動するたびに不安を感じます。
あーまさんは、結果だけでなく行動したことを褒めてくれます。
名刺を持てた。
相づちを打てた。
人の話を聞けた。
呼吸を観察できた。
褒める基準は少し低すぎる気もします。
それでも、次もやってみようと思えます。
小さな成功を見つけてもらうことで、緊張している人が挑戦しやすくなることがあります。
褒めすぎる人から学んだこと
あーまさんと同じ量の褒め言葉を使うことは、僕にはできません。
話す速さにも追いつけません。
しかし、相手の良いところを探す姿勢は学べます。
できなかったことだけを見るのではなく、できた部分も確認する。
結果だけでなく、そこまでの行動を見る。
自分では当たり前だと思っていることにも価値を見つける。
僕はこれまで、できないことをたくさん見つけてきました。
現場ができない。
営業ができない。
電話対応がうまくできない。
施工後の写真を忘れる。
あーまさんなら、その中から何かを褒めます。
「四つも振り返れてすごい!」と言うはずです。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
クロス張替え
CFやフロアタイルなどの床施工
設備交換・修理
大工工事、建具補修
室内の原状回復工事
主に室内の工事を中心に、住まいや建物のお困りごとへ対応しています。
壁や床、天井、設備などで気になる場所がありましたら、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
お問い合わせいただいた時点で、あーまさんから褒められる可能性があります。
相談しようと思った行動力がすごい。
電話やメールを使えてすごい。
住まいを良くしようと考えていてすごい。
工事の相談へ入る前に、自己肯定感が上がるかもしれません。
今日のとこじゅん
呼吸が安定していますね。
褒める練習で、褒められて終わりました。
営業トークが上達したかは分かりません。
人の良いところを探す前に、自分の良いところを大量に教えてもらいました。
今日も呼吸は安定しています。
たぶん、それだけで褒めてもらえます。

株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を終え、社会人になりました。
室内工事の現場では戦力外になりました。
営業でも戦力外になりました。
現在は、会社ホームページのブログを担当しています。
今回は、ブログで紹介するリフォームのビフォーアフター写真を任されました。
工事をするのは職人のみなさんです。
僕は写真を撮るだけです。
これなら失敗しないと思いました。
たーなさんから施工写真を頼まれた
施工部長のたーなさんと、内装工事の現場へ行きました。
壁紙は剥がれています。
床には傷や汚れがあります。
室内全体に、長く使われてきた跡が残っていました。
たーなさんから撮影方法を教わります。
「ブログ用に、施工前と施工後を同じ場所・同じ角度で撮って」
分かりやすい指示です。
工事前に一枚。
工事後に同じ場所から一枚。
二枚を並べれば、変化が伝わります。
「任せてください」
僕は自信を持って答えました。
写真を撮るだけなら、僕にもできます。
ビフォー写真は完璧だった
僕はスマートフォンを構えました。
部屋の入口から一枚。
壁の正面から一枚。
床の傷を近くから一枚。
剥がれたクロスを一枚。
部屋の角を一枚。
少し位置を変えて、もう一枚。
撮影枚数は増えていきます。
傷んでいる場所を見つけるたびに撮りました。
メジャーで立ち位置も確認します。
スマートフォンを持つ高さも意識します。
施工前の室内だけで、小さな写真集ができました。
「ビフォーは完璧だ」
仕事をやり遂げた気分です。
まだ工事は始まっていません。
内装工事が終わると部屋が変わった
職人のみなさんが工事を進めます。
古くなった壁紙を剥がします。
下地を整えます。
新しいクロスを張ります。
床もきれいに仕上げます。
工事が終わった室内は、最初に見た部屋と印象が変わっていました。
壁が明るい。
床が整っている。
部屋全体が広く見えます。
「うわ……すごくきれいになった」
僕は感動しました。
職人の仕事はすごい。
同じ部屋とは思えません。
満足した僕は、荷物を持って部屋を出ました。
施工後の写真は撮っていません。
アフター写真を忘れた
会社へ戻り、撮影した写真をパソコンへ取り込みました。
施工前の壁。
施工前の床。
施工前の角。
施工前の別の角。
画面には、傷んだ室内の写真だけが並びます。
アフター写真が一枚もありません。
撮影を忘れたことへ、ここで気づきました。
工事後の室内は、僕の記憶の中にあります。
きれいな壁も覚えています。
整った床も覚えています。
しかし、ブログへ記憶を掲載することはできません。
必要なのは画像ファイルです。
怖い顔のたーなさんが肩へ手を置いた
事務所の照明が、急に暗くなったような気がしました。
僕の背後に、たーなさんが立っています。
肩へ大きな手が置かれました。
逃げられません。
普段はかっこいい職人です。
アンガーマネジメントや経営についても学んでいます。
今回は、学んだ内容を実践しているのでしょう。
声は落ち着いていました。
顔はまったく落ち着いていません。
「アフターは?」
僕は正直に答えました。
「記憶にはあります」
肩へ置かれた手が、少し重くなりました。
工事は完成しました。
施工事例は未完成です。
リフォームのビフォーアフター写真が大切な理由
施工前と施工後の写真を並べると、工事による変化を視覚的に伝えられます。
文章だけでは分かりにくい色や明るさ、傷みの状態、室内全体の印象も写真なら伝わりやすくなります。
ビフォーアフター写真には、次のような役割があります。
工事前の状態を記録する
施工した箇所を確認する
仕上がりをお客様へ伝える
施工事例として紹介する
今後の提案や打ち合わせに活用する
施工前だけでは、どこに問題があったかは分かります。
施工後だけでは、きれいな部屋になったことは分かります。
両方がそろうことで、工事によって何が変わったのかが伝わります。
僕の写真には、問題だけが残りました。
解決した証拠がありません。
施工前と施工後は同じ場所・同じ角度で撮る
ビフォーアフターを比較しやすくする一番の基本は、同じ場所から同じ方向を撮影することです。
施工前は入口から撮ったのに、施工後は窓側から撮る。
施工前は低い位置、施工後は高い位置から撮る。
これでは、別の部屋のように見えることがあります。
できるだけ次の条件を合わせます。
カメラを構える位置
カメラの高さ
レンズを向ける方向
画面に入れる範囲
縦位置と横位置
拡大率
施工前に、撮影位置をメモしておくと再現しやすくなります。
床の継ぎ目、扉、柱、コンセントなど、動かないものを目印にする方法もあります。
僕は位置を丁寧に記録しました。
施工後に撮らなければ、記録は役に立ちません。
部屋全体と細部の両方を撮影する
内装工事の施工写真では、部屋全体が分かる写真と、施工箇所が分かる近くの写真を残します。
部屋全体の写真
入口や部屋の角などから、室内の広がりが伝わるように撮ります。
壁、床、天井、建具などの位置関係が分かる写真です。
施工箇所の写真
クロスの剥がれ、床の傷、設備の不具合など、工事の対象を近くから撮ります。
施工後も同じ場所を撮ると、補修や交換の内容を比較できます。
周囲を含めた写真
近づきすぎると、部屋のどこを撮ったのか分からなくなります。
施工箇所と一緒に、窓や扉などの目印を少し入れると位置が伝わりやすくなります。
アップだけ、全景だけではなく、複数の距離から残しておくと安心です。
撮影前にスマートフォンの画面を確認する
スマートフォンなら、施工写真を手軽に撮影できます。
ただし、撮る前にレンズや画面の状態を確認します。
レンズの汚れを拭く
現場では、ほこりや指紋がレンズにつくことがあります。
レンズが汚れていると、写真全体が白くぼやけます。
柔らかい布などで軽く拭いてから撮影します。
明るさを確認する
室内が暗い場合、施工箇所が分かりにくくなることがあります。
照明を点け、画面を見ながら明るさを確認します。
窓だけが明るい場合は、室内が暗く写りすぎないように構図を調整します。
水平と垂直を意識する
壁や柱、扉の線を目安にします。
カメラが傾くと、部屋まで傾いて見えます。
グリッド表示を利用すると、水平や垂直を合わせやすくなります。
僕は人生の方向については傾いていますが、写真だけは水平にしたいと思います。
工事中の写真も残しておく
施工前と施工後だけでなく、工事中の写真も役立つ場合があります。
完成後には見えなくなる下地や、作業の途中を記録できます。
たとえば、次のような場面です。
既存の仕上げ材を撤去した状態
下地を確認している様子
補修を行った箇所
新しい材料を施工している途中
完成すると隠れる部分
何を撮影するかは、工事内容や会社のルールに合わせます。
撮影のために作業を妨げないことも大切です。
僕は現場で役に立ちにくいので、少なくとも邪魔にならない位置から撮ります。
現場を出る前に写真を確認する
今回の失敗を防ぐ、最も重要な確認です。
現場を出る前に、撮影した画像をその場で見返します。
必要な場所を撮ったか
施工前と施工後がそろっているか
写真がぶれていないか
暗すぎないか
指や道具が大きく写り込んでいないか
文字や住所など不要な情報が写っていないか
足りない写真があれば、その場で撮り直せます。
会社へ戻ってから気づくと、簡単には撮り直せない場合があります。
僕も現場で一度写真を開いていれば、アフターが一枚もないことへ気づけました。
きれいになった部屋へ感動している場合ではありませんでした。
感動しながら撮ればよかっただけです。
写真を整理すると施工事例を作りやすい
撮影した写真は、あとで分かる形に整理します。
日付、現場、部屋、施工箇所、施工前・施工中・施工後などが分かる名前やフォルダーにすると探しやすくなります。
一例として、次のように分けられます。
施工前
施工中
施工後
掲載候補
同じ場所のビフォーとアフターを近くへ並べておくと、ブログや施工事例ページを作りやすくなります。
写真の掲載前には、お客様の個人情報や許可の範囲も確認します。
住所が分かるもの、氏名、郵便物、車のナンバー、鏡への映り込みなどには注意が必要です。
僕自身が鏡へ写り込んだ写真は、だいたい使いにくくなります。
施工事例は工事の内容を伝えるページ
施工事例ページは、きれいな完成写真を並べるだけではありません。
どのような悩みがあり、何を施工し、どのように変わったのかを伝えるページです。
工事前の悩みや状態
施工した場所
使用した材料や工法
工事後の変化
工事期間の目安
担当者からの説明
これらを写真と文章で紹介すると、同じような悩みを持つ方が工事をイメージしやすくなります。
ビフォー写真は問題を伝えます。
アフター写真は解決を伝えます。
僕は問題を大量に撮影しました。
解決は記憶に保存しました。
ブログ担当としては、保存先を間違えています。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
クロス張替え
CFやフロアタイルなどの床施工
設備交換・修理
大工工事、建具補修
室内の原状回復工事
主に室内の工事を中心に、住まいや建物のお困りごとへ対応しています。
壁や床、天井、設備などで気になる場所がありましたら、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
工事の仕上がりは、職人のみなさんがきれいに完成させます。
施工後の写真については、僕が現場を出る前に確認します。
たーなさんの手が肩へ置かれる前に確認します。
今日のとこじゅん
アフターは記憶にあります。
工事は完成。
施工事例は未完成。
ビフォーアフターは、ビフォーとアフターの両方が必要でした。
次回は、感動する前に撮ります。
感動したあとにも確認します。

株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を終え、社会人になりました。
履歴書と職務経歴書を忘れて面接へ行き、なぜか採用されました。
室内工事の現場では戦力外になりました。
営業でも戦力外になりました。
現在は、会社ホームページのブログを担当しています。
そんな僕が、初めて会社の電話へ出ることになりました。
会社の電話は鳴るだけで怖い
事務所に置かれている電話は、普段は静かです。
静かなときは、ただの機械に見えます。
しかし、突然鳴り始めると話が変わります。
誰からの電話なのか分かりません。
何を聞かれるのかも分かりません。
相手の顔も見えません。
受話器を取った瞬間、会社の代表として話さなければいけません。
僕には荷が重すぎます。
電話機には、誰が出てもよいような顔でボタンが並んでいました。
僕が出てもよいとは、どこにも書いてありません。
きーたさんから電話対応を教わる
リモート勤務の事務主任、きーたさんが電話の受け方を教えてくれました。
きーたさんとは、まだ直接会ったことがありません。
今回もパソコン画面の中から説明してくれます。
「会社名、お名前、ご用件、連絡先。この四つを確認するんやで」
会社名。
お名前。
ご用件。
連絡先。
四つもあります。
僕は一度に一つのことでも忘れます。
面接へ履歴書と職務経歴書を両方忘れた人間です。
二つを超えた時点で、かなり危険です。
きーたさんは、メモへ番号を振ってくれました。
電話が鳴る前までは、僕にもできそうな気がしました。
本当に電話が鳴った
説明が終わった直後、事務所の電話が鳴りました。
練習する時間はありません。
心の準備もありません。
電話は、こちらの都合を確認してから鳴ってくれません。
僕は受話器を取りました。
会社名を名乗ります。
ここまでは成功です。
相手が話し始めました。
「天井から水が落ちて、床も濡れて、どこへ頼めばいいか分からなくて……」
大変な状況です。
僕は急いでメモを取りました。
字は書きました。
あとで読めるかどうかは別の問題です。
電話の内容を聞きながらメモするのは難しい
相手の話を聞く。
内容を理解する。
必要なことを質問する。
紙へ書く。
丁寧な言葉で返事をする。
電話対応では、これらをほぼ同時に行います。
僕は人と話すだけでも緊張します。
そこへ筆記試験が追加されました。
メモには、波のような線が並んでいます。
水漏れの相談なので、内容には合っています。
情報としては役に立ちません。
「困っている人から電話です」と報告した
なんとか電話を終えました。
僕はメモを持ち、しゃちょーの机へ走りました。
一番大切なことだけは理解しています。
電話の相手は、すごく困っています。
「しゃちょー!すごく困っている人から電話です!」
しゃちょーの目つきが変わりました。
もともと人相はよくありません。
ひげ面で眉毛を剃っているため、黙っているとかなり怖く見えます。
しかし、根はやさしい人です。
困っている人を見ると放っておけません。
そして、つい雇ってしまいます。
しゃちょーの採用スイッチが入った
しゃちょーは立ち上がりました。
雇用契約書を取り出しました。
「よし、雇おう」
判断が速い。
僕の面接も、だいたい同じ速さでした。
履歴書を持っていなくても採用されました。
一度働いてみなければ、お互いに分からないという考え方です。
今回も、電話の相手が困っていると聞いただけで採用が決まりかけています。
まだ名前も聞けていません。
連絡先も確認できていません。
そもそも、求人への応募ではありません。
たーなさんが笑顔で訂正した
施工部長のたーなさんが、しゃちょーの隣に立っていました。
緑色の髪と無精ひげが似合う、かっこいい職人です。
顔は笑っています。
こめかみには、怒りの四つ角マークが出ています。
「修理のご依頼です」
電話の相手は、働きたい人ではありません。
天井からの水漏れと、濡れた床を直してほしいお客様です。
しゃちょーは雇用契約書を持ったまま止まりました。
僕は電話メモを持ったまま止まりました。
たーなさんだけが、状況を正しく理解していました。
困っている人を見ると、採用してしまう会社です。
初めて会社の電話へ出るときの基本
電話対応が初めての場合、完璧に話そうとすると余計に緊張します。
まずは、必要な情報を一つずつ確認することが大切です。
会社ごとに対応方法は異なりますが、一般的には次のような流れで受けます。
1.会社名と自分の名前を名乗る
受話器を取ったら、あいさつと会社名、自分の名前を伝えます。
電話に出るまでの時間や最初の言葉には、会社ごとの決まりがある場合もあります。
事前に社内のルールを確認しておくと安心です。
2.相手の会社名と名前を確認する
聞き取れなかった場合は、曖昧なまま進めず、もう一度お願いして確認します。
漢字や読み方が必要な場合もあります。
僕は「困っている人」という名前でメモしそうになりました。
それでは折り返せません。
3.用件を短く整理する
相手が何に困っていて、誰へ何を伝えたいのかを確認します。
修理相談の場合は、場所や症状、いつから発生しているかなども重要になります。
すべてを自分だけで判断する必要はありません。
分からない内容は担当者へ確認し、折り返す方法があります。
4.連絡先を確認する
電話番号や、希望する連絡方法を確認します。
聞いた番号は復唱すると、書き間違いを減らせます。
名前と用件が分かっても、連絡先がなければ折り返しが難しくなります。
四つの中で、最後まで気を抜けない項目です。
5.メモを担当者へ渡す
電話を切ったあと、次のような内容が分かる状態で担当者へ伝えます。
電話を受けた日時
相手の会社名や名前
連絡先
用件
対応の希望や急ぎの程度
自分が相手へ伝えた内容
担当者が不在の場合は、折り返しの要否も確認します。
「すごく困っています」だけでは、しゃちょーの採用スイッチが入ります。
## 修理相談の電話で確認しておきたいこと
住宅や店舗、事務所の不具合について相談を受けた場合、状況が分かる情報を残すと、その後の確認が進みやすくなります。
建物や部屋の場所
建物や部屋の場所
困っている箇所
どのような症状か
いつ気づいたか
現在も症状が続いているか
写真を用意できるか
希望する連絡時間
電話だけで原因を決めつけず、分かる範囲を記録します。
今回のように天井から水が落ちている場合でも、原因が天井そのものとは限りません。
現地の状況を確認し、必要な対応を検討します。
僕が電話口で直せるのは、姿勢くらいです。
工事については、たーなさんたちへ正確に伝えます。
電話対応が苦手でも、保留と折り返しがある
その場ですべて答えられなくても、電話対応はできます。
分からないことを曖昧に答えるより、担当者へ確認するほうが安全です。
相手へ一言伝えて保留にする。
担当者が不在なら、連絡先を確認して折り返す。
会社の決まりに従い、落ち着いて対応します。
ただし、保留にするつもりで電話を切らないよう注意が必要です。
僕はボタンが多いと不安になります。
電話機の使い方も、電話が鳴る前に確認しておくべきでした。
新入社員が電話対応で緊張するのは普通
会社名を間違えたらどうしよう。
相手の名前を聞き取れなかったらどうしよう。
知らない質問をされたらどうしよう。
電話対応が初めてなら、緊張して当然です。
相手の顔が見えないぶん、会話のタイミングも難しく感じます。
一度で完璧にできなくても、よく使う言葉と確認項目を手元へ置けば、少しずつ慣れていきます。
僕も最初の電話で、四項目すべてを完璧には確認できませんでした。
それでも、電話へ出ることはできました。
困っている人がいることも伝えられました。
採用されそうになったことを除けば、最初としては悪くありません。
電話一本にも会社の性格が出る
電話対応には、会社の雰囲気が表れます。
困っているお客様の話を聞く。
必要な情報を担当者へつなぐ。
できることを考える。
ツヤヤカのしゃちょーは、困っている人を放っておけません。
方向を間違えて採用しようとすることはあります。
それでも、まず助けようとする気持ちは本物です。
たーなさんが工事の内容へ戻してくれます。
きーたさんが必要な情報を整理してくれます。
僕は電話を取ります。
会社は、それぞれの得意なことで動いています。
僕の得意なことは、今も会社全体で探しています。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
クロス張替え
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天井や壁、床、設備などで気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
電話に僕が出た場合も、必要な担当者へつなげます。
雇用契約書は送らないように気をつけます。
今日のとこじゅん
しゃちょー!すごく困っている人から電話です!
困っている人を見ると、採用してしまう。
修理のご依頼は、工事担当へつなぎます。
求人へのご応募は、しゃちょーへつなぎます。
僕はまず、その違いをメモするところから始めます。

株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を終え、社会人になりました。
履歴書と職務経歴書を忘れて面接へ行き、なぜか採用されました。
室内工事の現場へ出ましたが、戦力外になりました。
営業へ移りましたが、やはり戦力外になりました。
現在は、会社ホームページのブログを担当しています。
そんな僕にも、ついに名刺ができました。
自分の名前が会社の名刺に印刷された
ある日、営業部のあーまさんが、できたばかりの名刺を持ってきてくれました。
「とこじゅんさん、名刺できました!」
自分の名前。
会社の名前。
連絡先。
小さな紙の中へ、社会人に必要そうな情報が並んでいます。
僕が8年間家にいる間、自分の名前が印刷されたものといえば、通販の荷物くらいでした。
今は会社の名刺に印刷されています。
少しだけ、自分が社会の一部になった気がしました。
あーまさんは名刺を持つ前から褒めてくれる
あーまさんは、常に人を褒めてくれます。
叱ることは、ほとんどありません。
息をしていても褒めてくれます。
今回も名刺を差し出しながら言いました。
「名前が印刷されてる!持ててえらい!」
まだ受け取っていません。
これから持つところです。
しかし、あーまさんの中では、すでに僕が名刺を立派に使いこなしたことになっています。
期待の進み方が速すぎます。
僕は手だけを前へ出しました。
それでも褒められました。
初めての名刺交換を一人で練習する
名刺を受け取ったからには、交換できなければいけません。
会社員らしく名乗り、相手へ失礼のないように渡す必要があります。
僕は誰もいない机で練習しました。
名刺を両手で持ちます。
相手がいるつもりで正面を見ます。
「株式会社ツヤヤカの、とこじゅんと申します」
そして、丁寧にお辞儀をしました。
丁寧すぎました。
机へ頭をぶつけました。
名刺交換には、気持ちの深さと頭を下げる深さが同じである必要はないようです。
初めて会うお客様と名刺交換
練習のあと、実際にお客様と名刺交換をする機会がありました。
名刺入れを用意します。
名刺の向きを確認します。
名前と会社名が相手から読めるように持ちます。
練習どおりに名乗りました。
机にはぶつかりませんでした。
名刺も落としませんでした。
相手の名刺も両手で受け取りました。
僕としては、ほぼ満点です。
名刺交換は無事に終わりました。
その直後、お客様から質問されました。
「とこじゅんさんは、何のご担当ですか?」
僕は何の担当なのか
簡単な質問です。
普通なら、営業、施工、事務など、自分の担当を答えます。
しかし、僕には少し難しい質問でした。
現場へ行きました。
戦力外になりました。
営業へ行きました。
戦力外になりました。
現在はブログを書いています。
ブログ担当と言えばよいはずです。
ただ、担当になった翌日にはネタがなくなりました。
自信を持って名乗ってよいのか分かりません。
僕は固まりました。
しゃちょーとたーなさんも後ろで悩んでいた
助けを求めて後ろを見ました。
しゃちょーが顎へ手を当てています。
施工部長のたーなさんは、腕を組んでいます。
二人とも真剣に考えています。
僕だけが自分の担当を分かっていないのではありませんでした。
会社も分かっていません。
少し安心しました。
同時に、かなり不安になりました。
しゃちょーは、困っている人がいるとつい雇ってしまう人です。
僕を採用してから、何を担当させるか考えているようでした。
たーなさんは現場で僕を見ています。
簡単に施工担当とは言えない事情を、一番よく知っています。
「それを今、会社全体で探しています」
お客様は答えを待っています。
僕は笑顔を作りました。
「それを今、会社全体で探しています」
正直な回答です。
正直すぎる回答でもあります。
名刺には、会社名と僕の名前がきれいに印刷されています。
見た目だけなら、立派な社会人です。
中身の担当業務は、まだ検索中です。
名刺だけが先に社会人になりました。
初めて名刺交換するときの基本
初めての名刺交換は緊張します。
会社や場面によって細かな方法は異なりますが、まずは次の基本を意識すると落ち着いて対応できます。
名刺はすぐ出せる場所へ用意する
相手の前でかばんやポケットを長く探さなくて済むように、名刺入れを取り出しやすい場所へ準備します。
名刺の枚数も事前に確認します。
僕は履歴書を忘れて面接へ行った実績があります。
名刺については、特に確認が必要です。
相手から読める向きで渡す
自分の名刺を、相手から文字が読める向きにします。
会社名と名前を伝えながら、両手で丁寧に差し出します。
名刺の文字やロゴへ指が重ならないように持つと見やすくなります。
相手の名刺も丁寧に受け取る
「頂戴いたします」など一言添え、基本的には両手で受け取ります。
受け取ったら、相手の名前や会社名を確認します。
読めない名前を勝手に判断せず、その場で丁寧に確認したほうが安心です。
受け取った名刺をすぐしまわない
着席して話す場合は、受け取った名刺を名刺入れの上などへ置き、相手の名前を確認できるようにします。
複数人と交換した場合は、座っている順に並べると名前を覚えやすくなります。
ただし、置き方やしまうタイミングは場面に合わせます。
お辞儀は机にぶつからない範囲で行う
丁寧さは必要です。
勢いは必要ありません。
名刺交換は頭突きの競技ではありません。
名刺交換で失敗しても、それだけで終わりではない
名刺の向きを間違える。
名乗る順番を忘れる。
緊張して言葉が出ない。
初めてなら、失敗することもあります。
間違えたことへ気づいたら、落ち着いておわびし、やり直せばよい場面もあります。
形式だけに意識を向けすぎると、相手の話を聞けなくなります。
名刺交換の目的は、紙を完璧に移動させることではありません。
相手に自分を知ってもらい、これから話をするための最初のあいさつです。
僕の場合、その紙に書かれていない部分が多すぎました。
それでも、名前だけは覚えていただけたと思います。
名刺に肩書きがなくても仕事は探せる
会社へ入った時点で、自分に合う仕事が完全に分かっている人ばかりではありません。
やってみて得意なことが見つかる場合もあります。
苦手なことが分かる場合もあります。
僕は現場へ出て、施工が得意ではないことを知りました。
営業へ出て、人と話すことも得意ではないと知りました。
ブログを書き始め、自分の失敗なら文章にできると知りました。
できなかった経験も、次の担当を探す材料になります。
会社全体で探している途中でも、何もしていないわけではありません。
名刺の中身へ追いつくため、今日もブログを書いています。
8年ニートにとって名刺は社会との接点だった
ニート生活をしていた頃、自分から初対面の人へ名前を伝える機会はほとんどありませんでした。
名刺も必要ありません。
所属する会社もありません。
担当を聞かれることもありません。
社会人になると、名前を名乗る場面が増えます。
会社の一員として相手の前へ立ちます。
自分が何をする人なのか、説明する必要もあります。
僕は、まだうまく説明できません。
それでも、自分の名前が入った名刺を渡せるようになりました。
名刺だけが先に社会人になったとしても、僕も少しずつ追いつけばよいと思います。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
クロス張替え
CFやフロアタイルなどの床施工
設備交換・修理
大工工事、建具補修
室内の原状回復工事
主に室内の工事を中心に、住まいや建物のお困りごとへ対応しています。
気になる場所がありましたら、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
担当者は、ご相談内容に合わせて会社で探します。
僕の担当よりは早く決まると思います。
今日のとこじゅん
それを今、会社全体で探しています。
名刺へ会社名と名前が入ったことで、社会人らしい外見は整いました。
あとは、中身が追いつくだけです。
名刺だけが先に社会人になりました。

株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を終え、社会人になりました。
履歴書と職務経歴書を忘れて面接へ行きましたが、なぜか採用されました。
室内工事の現場へ出ましたが、戦力外になりました。
営業へ移りましたが、やはり戦力外になりました。
現在は、会社ホームページのブログを担当しています。
そんな僕にも、ついに初任給が振り込まれました。
働いたら、本当にお金がもらえた
スマートフォンで銀行口座を確認すると、見慣れない金額が入金されていました。
給料です。
働くと、お金がもらえる。
知識としては知っていました。
しかし、実際に自分の口座へ振り込まれると話が違います。
会社へ行った日。
ブログを書いた日。
何をすればよいか分からず、パソコンの前で固まっていた日。
それらが数字になっていました。
僕は少し感動しました。
8年間、収入らしい収入がなかった人間にとって、初任給は社会と自分がつながった証拠のように見えました。
初任給の金額と手取りは同じではない
喜びながら給与明細を開きました。
最初に目へ入ったのは「支給」の欄です。
これが僕の給料。
働いた結果。
僕の新しい人生。
しばらく眺めたあと、その下に別の欄があることへ気づきました。
「控除」
健康保険。
厚生年金。
雇用保険。
ほかにも、給与や働き方によって税金などが記載されることがあります。
支給額から控除額を差し引き、実際に受け取る金額が手取りです。
僕は支給額だけを自分の給料だと思っていました。
初任給には、続きがありました。
知らない人たちが給料を持っていっている
給与明細を初めて見た僕には、控除欄に並ぶ名前が知らない人たちのように見えました。
健康保険さん。
厚生年金さん。
雇用保険さん。
全員、僕の給料へ同時に手を伸ばしています。
「待って。知らない人たちが俺の給料を持っていってる」
もちろん、本当に知らない人へ渡しているわけではありません。
病気やけが、老後、失業などに備える制度のために納めるお金です。
しかし、初めて給与明細を見た瞬間の僕に、そこまで考える余裕はありませんでした。
社会復帰した瞬間、国に見つかったと思いました。
給料から引かれる主なもの
給与から何が引かれるかは、雇用条件、年齢、収入、加入している制度、住んでいる地域などによって異なります。
ここでは、給与明細で見かけることが多い項目を簡単に紹介します。
健康保険料
病院へ行ったときの医療費負担を抑えたり、病気やけがで働けない場合の給付などを支えたりするための保険料です。
毎月引かれると大きく見えますが、体調を崩したときに生活を支える仕組みの一つです。
僕は長く横になっていたため、腰には少し自信がありません。
厚生年金保険料
会社員などが加入する公的年金の保険料です。
老後だけでなく、一定の障害が残った場合や、加入者が亡くなった場合の保障にも関係します。
未来の自分を支えるお金と言われても、初任給を受け取ったばかりの僕には、未来がかなり遠く感じられました。
雇用保険料
失業した場合の給付や、働き続けるための支援などに使われる保険料です。
会社で働き始めたばかりなのに、働けなくなった場合の備えも始まっています。
社会は先のことまで考えています。
僕は明日のブログネタも決まっていません。
所得税
給与などの所得にかかる税金です。
会社が毎月の給与から一定額を預かり、年末調整などで一年分を精算するのが一般的です。
初任給の時期や金額、扶養状況などによって、実際の記載や金額は変わります。
住民税
前年の所得をもとに計算される税金です。
そのため、前年に所得がなかった新入社員などは、入社直後の給与から住民税が引かれない場合もあります。
あとから始まる可能性があると知りました。
まだ見つかっていないだけでした。
## 給与明細で確認したい三つの場所
給与明細を受け取ったら、金額だけでなく次の三つを確認します。
1.勤怠
出勤日数、欠勤日数、残業時間、有給休暇などの記録です。
自分が働いた実績と合っているかを確認します。
僕の場合、会社へ来たことを確認してもらうところから始まります。
2.支給
基本給、残業代、各種手当など、会社から支払われる金額です。
何に対していくら支給されたのかを確認します。
3.控除
社会保険料や税金など、支給額から差し引かれる金額です。
支給合計から控除合計を引いたものが、差引支給額、いわゆる手取りになります。
分からない項目があれば、明細を発行した会社の担当者へ確認することが大切です。
知らない人たちだと思い込む前に聞きましょう。
初任給は金額以上にうれしかった
控除欄を見たときは驚きました。
それでも、初任給がうれしいことに変わりはありません。
自分で働いて受け取ったお金です。
現場で役に立てなかった日もありました。
営業で何も話せなかった日もありました。
ブログのネタがなくなった日もありました。
それでも会社へ行き、自分にできる仕事を探しました。
初任給は、完璧に働けた人だけが受け取るものではありません。
失敗しながらでも、一か月を働いた証拠です。
8年ニートだった僕にとって、金額以上に大きな意味がありました。
初任給の使い道を考える
初任給を受け取ったら、何に使うかを考えます。
家族へ何か贈る
欲しかったものを買う
おいしいものを食べる
生活費に充てる
少し貯金する
どれも立派な使い道です。
僕はまず、給与明細をもう一度見ました。
見るたびに手取りが増えるのではないかと思ったからです。
増えませんでした。
そのあと、お菓子を買いました。
社会復帰後、初めて自分の給料で買ったポテトチップスです。
味はいつもと同じでした。
ニート時代は収入ゼロ、今は天引き
ニート時代は、給料から何かを引かれる経験がありませんでした。
そもそも、引かれる給料がありません。
今は違います。
働いたお金が入り、必要なものが引かれ、残ったお金で生活します。
数字だけを見ると、減ったように感じます。
しかし、給料明細に控除欄があることも、会社員として制度へ参加した証拠なのかもしれません。
ニート時代は収入ゼロ。
今は天引き。
少なくとも、引かれるところまでは社会復帰できました。
株式会社ツヤヤカについて
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クロス張替え
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設備交換・修理
大工工事、建具補修
室内の原状回復工事
主に室内の工事を中心に、住まいや建物のお困りごとへ対応しています。
気になる場所がありましたら、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
僕の給料から引かれた金額については直せませんが、床や壁なら会社のみんながきれいにしてくれます。
今日のとこじゅん
社会復帰した瞬間、国に見つかった。
初任給は、働いた喜びと手取りの現実を同時に教えてくれました。
ニート時代は収入ゼロ。
今は天引きです。
※漫画内の給与額や控除額は演出上の例です。実際の控除項目や金額は、雇用条件、収入、年齢、加入制度などによって異なります。

株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を終え、社会人になりました。
現場から戦力外になりました。
営業からも戦力外になりました。
現在は、ホームページのブログを担当しています。
そんな僕にも、休日がやってきました。
「明日は休み」と言われた
金曜日の夕方。
リモート勤務の事務主任、きーたさんに言われました。
「とこじゅん、明日は休みやで」
休み。
久しぶりに聞いた言葉ではありません。
むしろ、8年間ずっと休みに近い生活をしていました。
しかし、今回は意味が違います。
働いたあとに与えられる、正式な休みです。
僕は少し感動しました。
働いた人だけが入れる「正規の休み」
会社から帰る道で考えました。
これは、働いた人だけが入れる正規の休日です。
土曜日に何もしなくても怒られません。
昼まで寝ても問題ありません。
ゲームをしても、動画を見ても、仕事を休んだことにはなりません。
会社が最初から休みだと決めています。
長いニート生活では、曜日に関係なく家にいました。
何もしない時間はたくさんありました。
それでも、「今日は休んでよい日だ」と誰かに認められたことはありません。
社会人の休日には、許可があります。
土曜日は昼寝、ゲーム、動画
土曜日。
まず、昼まで寝ました。
目覚まし時計は鳴りました。
止めました。
二度寝しました。
昼頃に起きて、ゲームをしました。
少し疲れたので、動画を見ました。
お菓子を食べました。
布団へ戻りました。
懐かしい感じがします。
体が、よく覚えています。
8年間続けた生活です。
休日初心者ですが、過ごし方だけはベテランでした。
8年前と、やっていることが同じだった
昼寝。
ゲーム。
動画。
お菓子。
布団。
夕方になり、僕は気づきました。
8年前と、やっていることが同じです。
社会復帰したはずなのに、土曜日の姿だけを見ると何も変わっていません。
違うのは、翌日に仕事があるかもしれないことです。
そして、休んでいることに理由があることです。
ニート時代は日常、今は福利厚生
同じように一日を過ごしても、立場が変わると意味が変わります。
ニート時代は日常でした。
今は福利厚生です。
働く日があるから、休む日ができます。
平日があるから、土曜日を待つことができます。
何もしない時間が、仕事から回復するための時間になります。
僕の行動は変わっていません。
休日の価値だけが上がりました。
休日に何もしないのは悪いことなのか
社会人になると、休日を有効に使わなければいけないような気がします。
早起きをする
外出する
運動する
勉強する
趣味を充実させる
家事をまとめて終わらせる
翌週の準備をする
どれも立派な過ごし方です。
しかし、毎回すべてを行う必要はありません。
仕事で疲れているなら、寝ることも必要です。
何も考えずにゲームや動画を楽しむことも、気持ちを切り替える時間になります。
予定を入れない休日も、予定の一つです。
僕の場合、予定を入れない技術だけは十分にあります。
休みの日に寝て終わると罪悪感がある
夕方まで寝てしまうと、「休日を無駄にした」と感じることがあります。
起きたときには外が暗い。
何も達成していない。
明日の仕事は近づいている。
少し焦ります。
ただ、疲れが取れたなら、休むという目的は達成しています。
休日は成果を提出する日ではありません。
誰かに評価される必要もありません。
会社で役に立っていない僕が言うと、説得力に別の問題が生まれます。
それでも、休むことは必要です。
社会復帰すると、休日にも区切りができる
ニート生活をしていた頃は、平日と休日の違いがあまりありませんでした。
月曜日も家にいます。
土曜日も家にいます。
祝日も家にいます。
曜日はテレビ番組とゴミ収集日で確認していました。
働き始めると、一週間に区切りができます。
仕事へ行く日。
仕事から帰る時間。
休んでよい日。
次の週を迎える日。
区切りがあることで、生活の時間が少し見えるようになりました。
休日がうれしいということは、平日に働いたということです。
これは僕にとって、小さな社会復帰の証明でした。
休日におすすめしたい最低限のこと
何もしない休日でも、最低限これだけ行うと翌日が少し楽になります。
食事を取る
お菓子だけで一日を終えないようにします。
僕はポテトチップスを食事に含めようとしました。
含まれないそうです。
水分を取る
寝ている時間が長くても、水分は必要です。
ゲームの区切りで飲むようにします。
風呂へ入る
日曜日の夜に慌てなくて済みます。
入浴まで先延ばしにすると、休日の最後に仕事が増えます。
翌日の予定だけ確認する
出勤時間や持ち物だけを確認します。
履歴書を忘れて面接へ行った人間には、特に必要な作業です。
休むために働くのか、働くために休むのか
働くためには、休む必要があります。
休みを楽しむためには、働く日も必要なのかもしれません。
どちらが先かは分かりません。
少なくとも、8年間ずっと休みに近い生活をしていた頃より、土曜日を楽しみにできるようになりました。
同じゲームです。
同じ動画です。
同じ布団です。
しかし、金曜日の仕事を終えてから入る布団には、少し達成感があります。
たぶん気のせいです。
気のせいでも、眠れれば問題ありません。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
クロス張替え
CFやフロアタイルなどの床施工
設備交換・修理
大工工事、建具補修
室内の原状回復工事
家や部屋のことで気になる場所がありましたら、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
休日にゆっくり過ごせる部屋を整える工事も、ご相談いただけます。
僕は、その部屋で休む方法なら少し分かります。
今日のとこじゅん
ニート時代は日常。今は福利厚生。
やっていることは同じでも、休みの意味は変わりました。
社会復帰は、休日のありがたさから始まることもあるようです。


株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
入社1か月目で現場から戦力外通告。
入社2か月目で営業からも戦力外通告。
そして今、ホームページのブログを担当することになりました。
役職は「ブログ担当大臣」です。
自分で名乗っています。
会社から正式に与えられた役職ではありません。
現場と営業を越え、ブログ担当へ
営業から事務所へ戻った僕に、社長が言いました。
「今日からホームページのブログを担当して」
現場では工具の名前が分かりませんでした。
営業では相づちの次に何を言えばよいか分かりませんでした。
しかし、文章なら少し書けます。
文学部を卒業してから8年間、ほとんど使われなかったものが、ようやく会社で使われることになりました。
「ブログ担当大臣ということですね」
社長は言いました。
「大臣ではない」
就任して数秒で、役職を否定されました。
椅子とパソコンと、少しの不安
ブログを書くための席が用意されました。
椅子。
パソコン。
マウス。
ノート。
仕事に必要そうな物は揃っています。
僕は尋ねました。
「権限は、どこにありますか?」
「ないよ」
ブログ担当にはなりましたが、会社を動かす権限はありません。
当然です。
現場も営業も動かせなかった人間に、会社を動かす権限を渡す理由がありません。
椅子とパソコンと、少しの不安を与えられました。
会社ブログには何を書けばいいのか
パソコンの画面には、真っ白なブログ投稿欄が表示されています。
リモート勤務の事務主任、きーたさんに聞きました。
「何を書けばいいですか?」
「まず一本、書いてみよか。会社のことやな」
会社のこと。
考えてみると、僕は株式会社ツヤヤカについて、まだ詳しく知りません。
現場に1か月いました。
できないことだけは分かりました。
営業にも1か月いました。
相づちだけでは商談にならないことが分かりました。
会社について知っていることを、ひとまず書き出しました。
工事ができます
リフォームができます
リノベーションができます
見積もりは無料です
会社の宣伝として大事そうなことは、全部書けた気がします。
初日のブログは完成しました。
ブログ開始2日目、書くことがありません
翌日。
再びパソコンの前に座りました。
画面は真っ白です。
昨日、会社の宣伝を全部書いた気がします。
工事ができる。
リフォームができる。
リノベーションができる。
見積もりは無料。
これ以上、何を書けばよいのでしょうか。
ブログ担当大臣に就任して、2日目で持ち札をすべて出し切りました。
書くことがありません。
きーたさんにブログのネタを相談する
困ったので、きーたさんへ相談しました。
「ブログって、何を書けばいいですか?」
きーたさんは、関西弁で優しく答えました。
「工事のこととか、日々のことやな」
その方向性は分かります。
もう少し具体的な答えが必要です。
「もう少し具体的には?」
「頑張りや」
優しい関西弁で返されました。
たぶん、きーたさんも仕事があります。
ブログ担当大臣のネタ探しまで担当しているわけではありません。
社長にも相談してみた
会社のトップなら、ブログで発信したいことがあるかもしれません。
社長のデスクへ行きました。
「社長。ブログって、何を書けばいいですか?」
社長はパソコンで仕事をしながら答えました。
「頑張れ」
きーたさんと同じ在庫が、会社のトップにもありました。
ブログのネタは増えませんでした。
僕への期待だけが増えました。
「頑張れ」は渡された側だけが重い
頑張れという言葉は便利です。
短い。
明るい。
大きく間違ってはいません。
しかし、具体的に何をすればよいかは、渡された側が考えなければなりません。
現場では、道具や材料がありました。
営業では、お客様の相談がありました。
ブログには、真っ白な画面があります。
自由です。
自由は、ときどき指示より重いです。
今日の格言です。
> 頑張れは、便利な言葉。渡された側だけが重い。
ネタ切れそのものをブログに書く
書くことがありません。
そこで、書くことがないことを書いています。
ブログのネタを先輩に相談したこと。
「頑張りや」と言われたこと。
社長にも相談したこと。
「頑張れ」と言われたこと。
何も解決していません。
しかし、一つの記事になりました。
会社ブログでは、大きなニュースだけを書く必要はないのかもしれません。
仕事の中で覚えたこと。
失敗したこと。
お客様からよく聞かれること。
現場で使う道具。
工事が終わるまでの流れ。
働いている人のこと。
日々の小さな出来事にも、会社を知ってもらう材料があります。
建設会社・リフォーム会社のブログネタ
僕のように会社ブログで書くことがなくなった場合は、次のようなテーマが考えられます。
施工事例
工事前と工事後の変化、施工した場所、使用した材料などを紹介します。
お客様が完成を想像しやすいテーマです。
工事の基礎知識
クロス張替え、CF・フロアタイル、設備交換、建具補修など、工事ごとの特徴を説明します。
専門用語を初めて聞く人にも分かる内容にします。
よくある質問
「見積もりには費用がかかるのか」
「工事中も部屋を使えるのか」
「どこまで直すべきか分からない」
お客様からよく聞かれる質問は、そのまま記事のテーマになります。
現場の道具や材料
メジャー、カッター、養生テープ、床材、クロスなどを紹介します。
僕には、学習にもなります。
スタッフ紹介
営業、事務、施工など、それぞれの担当者や仕事を紹介します。
会社の雰囲気が伝わりやすくなります。
失敗や学んだこと
専門用語を勘違いしたことや、仕事を通して覚えたことも記事になります。
僕の場合、この分野だけは在庫が豊富です。
会社ブログは誰のために書くのか
会社ブログは、検索順位のためだけに書くものではありません。
工事を頼もうとしている人が、会社について知るための記事です。
どんな工事ができるのか
どんな人が働いているのか
相談するとどう進むのか
専門用語を分かりやすく説明してくれるか
安心して依頼できそうか
このような疑問へ、少しずつ答えていく場所だと思います。
僕はまだ建築や内装工事の知識が十分ではありません。
分からないからこそ、初めて相談する人と近い目線で書けることもあるかもしれません。
分からないことは、分かる人に確認します。
会社には、ちゃんと分かる人がいます。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
クロス張替え
CFやフロアタイルなどの床施工
設備交換・修理
大工工事、建具補修
室内の原状回復工事
「どこを直せばよいか分からない」
「まず現地を見てほしい」
「費用を確認してから考えたい」
そのような段階でも、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
今日のとこじゅん
書くことがない日、書くことがないと書いたら一日が終わった。
ブログ担当大臣、2日目。
権限はありませんが、記事は一本増えました。


株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
入社1か月目で、室内工事の現場から戦力外通告を受けました。
会社をクビになったわけではありません。
次の配属先は営業です。
現場より安全そうだと思いました。
営業には、別の危険がありました。
会話です。
現場の次は、リフォーム営業へ
社長に言われました。
「今日から営業」
営業部のあーまさんが、同行してくれることになりました。
あーまさんは、よくしゃべります。
そして、よく褒めます。
「営業に来られた時点でもう偉いです!」
まだ何もしていません。
移動しただけで評価されました。
現場で工具を一つも正しく渡せなかった僕には、ありがたい部署かもしれないと思いました。
リフォーム営業は、まず困りごとを聞く
お客様との商談へ向かう途中、あーまさんが営業の基本を説明してくれました。
「まず、お客様が何に困っているか聞きます!」
リフォームや原状回復工事の相談では、単に「工事をしたい」という話だけでは足りません。
確認することがいくつもあります。
どの場所が気になっているのか
どのような不具合や傷みがあるのか
どんな状態に直したいのか
予算はどのくらいか
いつまでに工事を終えたいのか
入居中か、退去後の空室か
クロス、床、設備、建具など、どこまで工事が必要か
あーまさんは歩きながら、途切れず説明します。
僕はノートへ書きました。
覚えることが現場より多い。
営業には工具がありません。
その代わり、質問がたくさんあります。
商談用に三種類の相づちを準備した
僕は人と長く話すことが得意ではありません。
8年間のニート生活では、会話の機会が多くありませんでした。
そこで商談へ向かう前に、使えそうな言葉を三つ用意しました。
「はい」
「なるほど」
「そうなんですね」
この三つで、一日を乗り切るつもりでした。
あーまさんは言いました。
「準備してて偉いです!」
褒められました。
作戦が正しいとは言われませんでした。
一つ目の相づち「はい」
商談が始まりました。
お客様は、退去後の部屋をどこまで直すべきか迷っていました。
クロスの汚れ。
床の傷。
設備の状態。
予算とのバランス。
僕は真剣に聞きました。
「はい」
一つ目は成功です。
少なくとも、会話は止まりませんでした。
二つ目と三つ目も使った
お客様が続けます。
「床の傷も気になるんです」
「なるほど」
「予算も、できるだけ抑えたくて」
「そうなんですね」
三種類をすべて使いました。
ここまでは順調です。
用意した言葉がなくなったこと以外は。
「それで、どうしたらいいですか?」で止まる
お客様が僕を見て尋ねました。
「それで、どうしたらいいですか?」
必要なのは相づちではありません。
現場の状態を確認し、必要な工事を整理し、予算に合わせて提案することです。
しかし、僕は四つ目の言葉を用意していませんでした。
沈黙しました。
営業の人が「話を聞くことが大事」と言う意味を、少し間違えて理解していたようです。
聞くだけでは、商談は終わりません。
あーまさんが商談を立て直す
僕が止まった瞬間、あーまさんが話し始めました。
「まず現地を確認して、必要な工事を整理します!」
「ご予算に合わせて、お見積もりをご提案しますね!」
クロスを全部張り替える必要があるのか。
床の傷んだ部分だけで対応できるのか。
設備や建具に不具合がないか。
現地を確認したうえで工事内容を整理し、見積もりを出す。
お客様は安心した様子で言いました。
「お願いします」
これが営業です。
僕が三種類の相づちを使っている間に、あーまさんはお客様が次に必要とする情報まで考えていました。
沈黙まで褒められた
商談を終えたあと、あーまさんは僕に言いました。
「黙って聞けて偉いです!」
沈黙まで褒められました。
あーまさんは叱りません。
息をしていても褒めてくれます。
何も言えなかった僕の行動にも、よい部分を見つけました。
営業として役に立ったかどうかは、別の話です。
入社2か月目、営業からも戦力外
事務所へ戻ると、社長に呼ばれました。
「とこじゅん。明日から営業じゃなくていいよ」
聞き覚えのある言葉です。
「また戦力外ですか?」
「次はホームページのブログ」
現場に捨てられ、営業に拾われず、ブログに流れ着きました。
あーまさんは最後まで褒めてくれました。
「2か月も営業にいて偉いです!」
営業にいた期間として数えると、約1か月です。
入社してからの全部を褒めてくれたのだと思います。
相づちだけでは営業にならない
相づちは、相手が話しやすくなるために大切です。
うなずく。
話を遮らない。
相手の言葉を受け止める。
これは営業でも必要なことです。
しかし、相づちだけで商談を終えることはできません。
リフォームや原状回復工事の営業では、聞いた内容を次の行動へつなげる必要があります。
1. 困りごとを聞く
2. 現場や対象箇所を確認する
3. 必要な工事を整理する
4. 予算や希望時期を確認する
5. 見積もりや施工方法を提案する
6. お客様の疑問や不安へ答える
「はい」と言ったあとに何をするか。
そこからが営業でした。
営業未経験者が同行で見るべきポイント
未経験で営業同行へ行く場合、話し方だけでなく、先輩がどこを確認しているかを見ることが大切です。
最初にどんな質問をするか
お客様の言葉をどう整理するか
写真や図面のどこを見るか
工事担当へ何を確認するか
その場で答えられない内容をどう持ち帰るか
見積もりまでの流れをどう説明するか
お客様が不安そうな点をどう見つけるか
全部を一度にできる必要はありません。
まずは会話を聞き、メモを取り、分からないことを同行した先輩へ確認する。
僕はメモを取りました。
相づちだけを書きました。
用途が少し違いました。
ブログ担当大臣へ
現場も営業も向いていなかった僕に、残された仕事がホームページのブログでした。
文章を書く仕事です。
文学部を卒業してから、8年間ほとんど使われなかったものが、ようやく会社で使われることになりました。
役職は「ブログ担当大臣」です。
自分で名乗っています。
権限はありません。
椅子とパソコンと、少しの不安があります。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などのリフォーム、リノベーション、原状回復工事をご相談いただけます。
「床の傷が気になる」
「壁紙をどこまで張り替えるべきか分からない」
「設備や建具も一緒に確認してほしい」
「予算に合わせて工事内容を考えたい」
まだ工事内容が決まっていない段階でも、まずはお困りの点をお聞かせください。
現地の状況を確認し、必要な工事を整理したうえでお見積もりをご提案します。
見積もりは無料です。
今日のとこじゅん
相づちは営業ではない。だが沈黙よりは少し明るい。
次の仕事はブログです。
今度は黙っていると、何も公開されません。


株式会社ツヤヤカの床ずれの潤、通称とこじゅんです。
8年間のニート生活を経て、株式会社ツヤヤカに採用されました。
履歴書と職務経歴書を忘れた面接は、およそ3分で終了。
そして入社1か月目、僕は現場へ入ることになりました。
ここでいう現場は、クレーンや鉄骨が並ぶ大規模な建築現場ではありません。
主に住宅や賃貸物件などの室内で行う、内装仕上げ、設備交換、大工・建具の補修、原状回復工事の現場です。
屋内だから安心だと思いました。
屋内にも、僕にできない仕事はたくさんありました。
ツヤヤカの室内現場では何をするのか
現場へ着いて、施工部長のたーなさんに今日の作業を聞きました。
「クロスと床。設備の交換と、建具の補修もある」
一つの部屋でも、工事の内容は一つではありません。
例えば、原状回復やリフォームの室内現場には次のような作業があります。
古い壁紙を剥がし、新しいクロスへ張り替える
CFやフロアタイルなどの床材を施工する
巾木や見切り材を取り付ける
蛇口や水栓、照明などの設備を交換する
ドア、枠、建具の動きや傷を補修する
作業前に床や壁を養生する
寸法を測り、必要な材料を準備する
施工後に片付けと清掃を行う
文章にすると順番のある仕事に見えます。
実際の現場では、複数の作業が同時に進みます。
僕の頭は、最初の説明でほぼ満員になりました。
クロスと床材は、見た目より重い
最初の仕事は、材料を室内へ運ぶことでした。
たーなさんは、クロスのロールと床材の箱をまとめて運びます。
僕は小さなロールを一つ持ちました。
足が震えました。
「同じ人間とは思えない」
現場の人は、ただ力が強いだけではありません。
材料を傷めない持ち方、狭い通路の通り方、どこへ置けば次の作業がしやすいかまで考えて動いています。
僕は落とさないことで精いっぱいでした。
同じ材料を持っていても、見えている仕事が違います。
「青いカッター取って」で止まる
室内の内装工事では、多くの工具を使います。
カッター、地ベラ、ローラー、定規、メジャー、コーキングガン、ドライバー、レンチ。
作業内容によって、形や大きさの違う道具が並びます。
たーなさんに言われました。
「とこじゅん、青いカッター取って」
床を見ると、青い物がいくつもあります。
「青い……?」
「右の細いやつ」
右側にも細い物が複数あります。
現場の人には一つに見える指示が、僕には選択問題に見えました。
しかも、選択肢が多いわりに正解しても点数は入りません。
メジャーは伸ばすより、戻すほうが怖い
次に、室内の壁や床の寸法を測りました。
メジャーは知っています。
伸ばして、数字を読む道具です。
問題は、伸ばしたあとでした。
手を緩めると、金属のテープが勢いよく戻ります。
「バチン!」
「メジャー、戻るの速すぎません?」
たーなさんは落ち着いて言いました。
「手、離すなよ」
正しい答えです。
しかし僕の手は、驚くと本人の許可なく離れます。
「養生しといて」を休憩の指示だと思った
工事の前には、作業する場所以外を傷つけたり汚したりしないよう保護します。
床へシートを敷く。
テープで固定する。
壁、建具、設備など必要な部分を覆う。
これを「養生」と呼びます。
当時の僕は知りませんでした。
たーなさんに言われました。
「次、養生しといて」
僕は毛布をかぶり、お茶を持ちました。
「はい。体を大事にします」
「床の話だ」
会社が僕の健康を気遣ってくれたわけではありませんでした。
守る対象は床でした。
1か月で上達したのは、邪魔をしないこと
クロスが張り替えられ、床材が施工され、設備や建具が整っていきます。
たーなさんは、次に必要な作業を判断しながら動きます。
僕は工具の名前を覚えようと、ノートを持って現場の端に立っていました。
入社から1か月。
少しだけ上達しました。
人が通る場所に立たない。
材料を置く場所をふさがない。
分からないまま工具を触らない。
邪魔をしないことだけ、上手になりました。
現場から戦力外、次は営業へ
ある日、事務所へ呼ばれました。
デスクの向こうには、怖い顔の社長が座っています。
その隣には、施工部長のたーなさんが立っていました。
口元は笑っています。
こめかみには、はっきりと怒りの四つ角マークが浮かんでいました。
笑顔と怒りは、同時に存在できるようです。
この1か月、たーなさんは怒鳴らず、工具の名前も、メジャーの使い方も、養生の意味も教えてくれました。
たぶん最後まで、アンガーマネジメントを実践していたのだと思います。
マークだけは、管理しきれなかったようです。
「とこじゅん。明日から現場じゃなくていいよ」
ついに来ました。
「クビですか?」
「現場だけね。次は営業」
会社をクビになったわけではありません。
現場から営業への配置転換でした。
たーなさんは笑顔のまま、何も言いませんでした。
何も言わないことが、いちばん優しい場面もあります。
入社1か月。
安全だけは確保されました。
未経験から内装工事を覚えるには
僕は1か月で現場を離れましたが、未経験だから内装工事ができないという話ではありません。
実際には、現場で基本を教わりながら経験を重ね、職人として技術を身につけていく人がいます。
未経験から始める場合は、次のような姿勢が大切だと思います。
工具や材料の名前を少しずつ覚える
分からない指示は、勝手に判断せず聞き直す
安全に関する決まりを守る
養生や片付けを軽く考えない
作業の速さより、最初は正確さを意識する
先輩の動きと材料の置き方を見る
同じ失敗を繰り返さないようメモする
僕はメモをしました。
メモをした場所を忘れました。
職人への道は、工具より先に記憶力が必要だったのかもしれません。
室内工事は、仕上がりをつくる仕事
クロス、床、設備、建具。
室内の工事は、生活する人が毎日目にし、触れる場所を整える仕事です。
壁紙がきれいになる。
床が歩きやすくなる。
扉がスムーズに動く。
水まわりや照明が使えるようになる。
一つひとつは部屋の一部分ですが、それらが揃って初めて安心して使える空間になります。
僕にはうまくできませんでした。
だからこそ、できる人のすごさが少し分かりました。
次回、営業でも戦力外通告
現場を離れた僕の次の配属先は営業でした。
営業同行で僕が用意したものは、提案力ではありません。
「はい」
「なるほど」
「そうなんですね」
三種類の相づちです。
これで一日を乗り切ろうとしました。
乗り切れませんでした。
株式会社ツヤヤカについて
株式会社ツヤヤカでは、住宅、賃貸物件、店舗、事務所などの室内工事をご相談いただけます。
クロス張替え
CF・フロアタイルなどの床施工
設備の交換・修理
大工工事、建具補修
原状回復工事
リフォーム、リノベーション
「壁紙や床が古くなった」
「扉や設備の調子が悪い」
「退去後の部屋をまとめて直したい」
「どこまで工事が必要か分からない」
そのような段階でも、お気軽にご相談ください。
見積もりは無料です。
今日のとこじゅん
現場から外れた日、僕の安全性だけが向上した。
次は営業です。
安全靴は脱げましたが、安心はまだできません。